端午節とは旧暦の5月5日の節句のことで、日本の端午の節句(こどもの日)にあたります。2025年の端午節は5月31日です。
台湾では端午節にドラゴンボートのレースが行われたり、ちまきを食べたりする習慣があります。
日本でも“ちまき”と言われて連想する食べ物が地域によって違うように、台湾でも地域ごとに特色のあるちまきが作られています。
今回は、台北近郊で各地のおいしいちまきが食べられるお店をピックアップしました。台湾人も太鼓判を押すちまきの名店に、ぜひ足を運んでみてください。
目次:
Toggleちまきの種類
北部粽
台湾の北部で作られるちまきは、炊き込みご飯のような食感と味が特徴です。
もち米と具材はあらかじめ炒めて味付けしておき、それを竹の葉で巻き蒸し上げます。
そのまま食べても十分な味が付いていますが、台湾人はお好みで醤油誰や甜辣醬(台湾のスイートチリソース)などをかけて食べます。
関東出身の筆者にはかなり馴染みのある味で、台湾のちまきの中で一番好きです。

南部粽
台湾南部のちまきは、北部とは異なり生のもち米を使います。
炒めた具材と生のもち米を竹の葉で包み、丸ごとゆでて火を通します。北部のものに比べて柔らかめの歯ごたえで、あっさりとした味付けが特徴です。
食べるときはピーナッツの粉や肉燥(肉でんぶ)、醤油だれなどを付けて食べます。

客家粽
台湾の中で独自の文化を持つ客家族のちまきは、北部粽とも南部粽とも違う独特の特徴があります。
もち米を粉にしたもち米粉に水を加え練った生地に、菜脯(切り干し大根)、油蔥酥(揚げたネギ)、豆乾(乾燥させた豆腐)、干しエビ、豚肉などの具材を入れ竹の葉で包んで蒸し上げた、お餅のような食感が特徴のちまきです。
もち米をそのまま使った「客家米粽」という種類もあり、その場合も菜脯や豆乾などが入るのが客家粽の特徴です。

湖州粽
台湾で食べられているちまきの中には、台湾独自のものだけでなく中国大陸にルーツを持つちまきもあります。
湖州粽は中国大陸の東部、浙江省湖州がルーツのちまきで、細長い形で、醤油味のお肉がたっぷり入っているのが特徴です。

北部粽おすすめ店│阿欉大橋頭肉粽
人気観光地、迪化街からも近いローカルな夜市、延三觀光夜市の中にある「阿欉大橋頭肉粽」は、昔ながらの味が愛されている北部粽の人気店です。
メニューは粽(ちまき)と魚丸湯(魚丸スープ)のみというところに、お店のこだわりを感じます。
しっかりと味の染み込んだ豚肉に香り豊かなシイタケ、蛋黃(塩漬けの卵黄)、栗などの具材がぎっしり詰まった粽はボリューム満点。
端午節でなくても食べに行きたい名店です。

阿欉大橋頭肉粽 住所:台北市大同區延平北路三段19號之1號銀行門口(📍GoogleMap) 電話:02-2597-5779 営業時間:17:00~24:00 休業日:無休 アクセス:MRT「大橋頭」駅1A出口から徒歩2分
北部粽おすすめ店│阿桐阿寶四神湯
寧夏夜市のすぐ近くに店を構える「阿桐阿寶四神湯」は、台湾の食通も足繫く通う名店です。
こちらでは肉粽(肉ちまき)と一緒に四神湯(モツ入り薬膳スープ)をいただくのがツウの食べ方。
粽には豚肉やシイタケなど北部粽定番の具材がたっぷり入っているほか、もち米からは炒めた紅蔥頭(エシャロット)の香ばしさが香り、食欲をそそります。
明け方の5時まで営業しているので、夜市を回った後、夜食として買ってホテルで食べるのもありかもしれません。

阿桐阿寶四神湯 住所:台北市大同區民生西路153號(📍GoogleMap) 電話:02-2557-6926 営業時間:11:00~翌5:00 休業日:無休 アクセス:MRT「雙連」駅2番出口から徒歩5分
南部粽おすすめ店│王記府城肉粽
台北旅行に来て、南部粽を食べてみたい人におすすめなお店が「王記府城肉粽」です。台南まで行けなくても、本場の味が台北で食べられます。
南部粽の特徴であるモチモチとした食感のちまきには、栗やシイタケ、豚肉が入っており、特製の甘辛いタレとピーナッツの粉をかけていただきます。
ほかにも、ベジタリアン向けのちまきや、あんこの入った甘いちまきもあるので、食べ比べてみるのも面白いかもしれません。

王記府城肉粽 住所:台北市松山區八德路2段374號(📍GoogleMap) 電話:02-2775-4032 営業時間:10:00~23:00 休業日:無休 アクセス:MRT「南京復興」駅5番出口から徒歩9分 👉ホームページはこちら
客家粽おすすめ店│乾家肉粽大王
台北から台鉄で1時間ほどで行ける新竹にある「乾家肉粽大王」は、清朝末期に創業した100年を越える客家粽の老舗です。
こちらでは、お米の形が残っている肉粽や、シイタケとピーナッツのちまき、お持ちのようなモチモチした食感の客家粿粽など、様々な客家粽を食べることができます。
ちまきと一緒に貢丸湯(肉団子スープ)や四神湯を食べるのが台湾人流。
伝統的な客家粽を味わいに、新竹まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

乾家肉粽大王 住所:新竹市北區中山路97號(📍GoogleMap) 電話:03-522-5900 営業時間:9:00~22:00 休業日:無休 アクセス:台鉄「新竹」駅から徒歩12分 👉ホームページはこちら
湖州粽おすすめ店│南園食品
台北旅行の定番観光地、中正紀念堂の近くにある南門市場は端午節が近づくとちまきを買い求める人でにぎわいます。「南園食品」はそんな南門市場で大人気の湖州粽を販売しているお店です。
「南園食品」の湖州粽は別名総統粽とも呼ばれ、歴代総統も好んで食べていたという一品です。
ゴロっとした豚肉と蛋黃(塩漬けの卵黄)が入ったボリューム満点のちまき。中正紀念堂を訪れたら、南門市場にも足を運んで、歴代総統が食べたちまきを味わってみてください。

南園食品 住所:台北市羅斯福路一段8號B1F-76、77攤位(📍GoogleMap) 電話:02-3343-3999 営業時間:7:00~18:00 休業日:南門市場の定休日に準ずる アクセス:MRT「中正紀念堂」駅2番出口徒歩1分(南門市場内) 👉ホームページはこちら
端午節は台湾のバラエティ―豊かなちまきを食べてみよう!

台湾では端午節が近づくと、街中でちまきが売られているのをよく見かけます。
もち米を使った伝統的なちまきから、台湾スターバックスなどで販売される一口サイズのスイーツちまきまで、様々な形でちまきを目にします。
端午節近くに台湾旅行を計画している方は、日本の端午の節句(こどもの日)とは違う、台湾ならではの端午節の文化を、ぜひ体験してみてください。
※上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
この文章はお役に立ちましたか?
フィードバックをいただき、ありがとうございます