いつもと違う瑞芳&九份の旅へ出かけよう!台湾の定番観光地である九份と、その最寄り駅、台鉄「瑞芳」駅。瑞芳駅は九份への通り道として通り過ぎがちですが、駅の裏側の改札(瑞芳火車站後站)を出ると瑞芳老街という昔ながらの雰囲気と歴史を感じる老街を散策することができます。
さらに、九份では定番の九份老街や有名な「阿妹茶樓」が見える階段以外にも、陶芸体験や茶芸館を訪ねました。
瑞芳・九份観光の新しい楽しみ方として参考にしていただけたら嬉しいです!
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目次:
Toggle瑞芳・九份観光|瑞芳老街【瑞芳老街創生基地】

台鉄「瑞芳」駅の裏側、九份に向かうバスやタクシーに乗り換えるのとは反対側の改札を出ると、左側に「瑞芳老街創生基地」という看板のある建物が見えます。
ここでは廃棄される空き瓶を使った「瓶燈彩繪(空き瓶ステンドグラスライト)」の手作り体験をすることができます。
瑞芳はかつて金や石炭の採掘をする鉱業で栄えた街で、町の多くの人が鉱業に従事していました。鉱業に従事する人々が飲む酒の空き瓶や、肉体労働に欠かせない塩分を撮るために醬瓜(漬物)を多く食べていたことから空き瓶のごみが多くなり、その再利用をと考え出されたのが空き瓶ステンドグラスライトなのだそう。

また、瑞芳には鉱山で働く人々がいつも体が真っ黒になっていたことに由来する「皮膚黑(体が真っ黒)」、瑞芳の雨が多い天気であることに由来する「天黑(空が暗い)」、防水や防カビを目的としたアスファルトで作られた真っ黒な屋根「屋頂黑(黒い屋根)」を合わせた「三黑(三黒)」という言葉があり、そんな暗さを明るく照らすという意味もあるそうです。
空き瓶ステンドグラスライトの作り方は、空き瓶にマジックで下絵を描き、黒の塗料で下絵をなぞります。その後、黒の塗料を乾かしてからマジックの下絵を消し、ステンドグラス用の塗料を使って色を付けていきます。

作業時間はおよそ1〜1.5時間。当日持ち帰れるので、瑞芳観光のお土産にもおすすめです。

瑞芳老街創生基地 住所:新北市瑞芳區瑞芳街45號(📍GoogleMap) 電話:(02)2497-8159 営業時間:9:00~12:00、13:00~18:00 手作り体験費用:小瓶400元/中瓶450元
瑞芳・九份観光|瑞芳老街【ガイドツアー】
続いては、瑞芳老街の歴史を巡るガイドツアーに出発です!
瑞芳後火車站石燈籠

スタート地点は瑞芳駅の裏改札。改札の外には日本統治時代の1936年に瑞芳神社の灯篭として作られた「瑞芳後火車站石燈籠」があります。
瑞芳神社は現在の瑞芳高工(瑞芳高級工業職業學校)の場所にありましが、今はその場所に神社はありません。
神社がなくなったあと、灯篭や狛犬などの一部が見つかり、修復したものが「瑞芳後火車站石燈籠」なんです。あまり知られていませんが、こんなところにも台湾の歴史に残る日本の面影を見られるスポットがありました。
新村芳書院

ここからツアーは瑞芳の路地裏に進んでいきます。
「新村芳書院」は、民宿兼図書館のような施設です。図書館は有料で、入館料を払うとお茶がいただけるそう。
路地裏にひっそりと佇む図書館で、お茶をいただきながら本を読む時間を満喫しに、改めて伺いたいなと思う場所でした。
油毛氈屋頂

新村芳書院の脇の路地をさらに進むと、瑞芳の「屋頂黑」を代表するかのような「油毛氈屋頂」という家屋が現れます。
以前はこの瑞芳や九份でよく見られた建築様式で、屋根も壁も真っ黒です。雨が多い地域なので、防水、防カビを目的にアスファルトを使うため黒くなるのだとか。
九份でも屋根が黒い建物が見られるので、九份でも探してみてください。
瑞芳輕鐵便道遺址

「瑞芳輕鐵便道遺址」は、瑞芳で使われていたトロッコ列車の線路跡です。
鉱山が栄えていた時代には、この線路と周辺は歓楽街として栄えており、人口が密集するエリアだったそう。
当時は瑞芳老街の各路地ともつながっており、ここで暮らす人の足にもなっていたそうです。
義方商行

瑞芳老街の路地を出て少し大きな通りに出ると、かつて瑞芳の鉱山を運営していた会社の建物「義方商行」があります。
瑞芳の名家「李家」の会社で、当時、鉱山資源が絶えたと考えた三井炭鉱がこの地域で工業を営んでいた李家に譲り、その後再度鉱山資源が発見されたことで李家の成功に繋がったのだそう。
建物は当時の姿をきれいに残しており、台湾のレトロ建築や歴史が好きなら、きっと気に入る雰囲気だと思います
不見天巷

「天(空)が見えない道」という意味になる「不見天巷」は、雨よけの屋根がついている路地で、光が入らないため暗くなっています。

知らなかったら通るのになかなか勇気のいる路地ですが、今は観光スポットとして路地の天井から空き瓶ライトが吊るされており、暗い路地を幻想的に照らしています。
これも雨が多い地域ならではなのかもしれません。
彩繪樓梯

「彩繪樓梯」は、瑞芳高工に続く階段に描かれた階段アートです。
瑞芳高工の学生が、下絵から色付けまですべての行程を行った作品で、イラストには瑞芳沿線の景色が見られます。
2020年に完成した、瑞芳高工の学生の青春と思い出が詰まった作品です。

ガイドツアーは、瑞芳の駅前に戻って終了です。
筆者は瑞芳の裏改札を出たのが初めてでしたが、瑞芳の新魅力を知るきっかけとなりとても楽しめるツアーでした。
いつもは台鉄「瑞芳」駅の正面を通りすぎて九份へ向かう通り道でしたが、瑞芳を目的地のひとつにするのもありだと思います。
瑞芳から十分へ向かう平溪線の乗り継ぎで待ち時間が発生することもあると思うので、隙間時間に街を歩くものおすすめです。
瑞芳・九份観光|瑞芳老街【保雲芋圓】

ツアーのあとは、同じく瑞芳老街にある「保雲芋圓」に立ち寄りました。
こちらでは温かいスイーツ「紅豆芋圓」「黑糖燒麻糬」「花生湯+碰餅」と「菜頭滷(おでん)」をいただきました。少し寒い日だったので、温かさがありがたい!

お汁粉のような「紅豆芋圓」ときなピーナッツ粉をまぶした粉餅のような「黑糖燒麻糬」は、日本人にもとっても馴染みのある味です。
「花生湯+碰餅」は、ピーナッツの甘いスープの中に小麦粉と砂糖、水を混ぜて作った焼き菓子(碰餅)を入れて食べるスイーツ。台湾人にとっては「おばあちゃんの味」なのだとか。
「菜頭滷(おでん)」は日本風のおでんに甘めのタレをかけていただきます。大根や甜不辣(さつま揚げ)のほか豬血(豚の血を固めたゼリー状の食べ物)が入っているのが台湾式です。
瑞芳老街に来たら、ぜひ立ち寄ってみてください。

保雲芋圓 住所:新北市瑞芳區瑞芳街8號(📍GoogleMap) 電話:02-2497-4268 営業時間:10:00~20:00 休業日:月曜日
瑞芳・九份観光|九份【輕便路】
今回の九份旅は九份老街からではなく九份老街の入り口の横にある階段を降りた輕便路からスタートしました。
メイン通りである九份老街とは異なり、人の少ない落ち着いた雰囲気の道沿いに、カフェやレストランが数件あります。人混みを避けてゆっくりと観光したいならこのルートを選んでみるのもありかもしれません。
輕便路景觀平台

輕便路への階段を下りた先にあるのが「輕便路景觀平台」です。
景観台に向かう階段からの景色もすでに絶景なのですが、足元が悪いので景色に気を取られて階段から落ちないように気を付けてください。

景観台からは基隆港を望む絶景を見ることができます。
人も少ない穴場で、おすすめの撮影スポットです!
輕便路景觀平台 住所:新北市瑞芳區輕便路43號(📍GoogleMap)
意象陶坊

「意象陶坊」は陶芸の工房です。ここでは手作りのコップやお皿、一輪挿しなどを作ることができます。陶芸と言ってもろくろを使うタイプではなく、手で成形するので初心者でも簡単に制作できます。

今回は、この工房の特徴でもある猫がワンポイントとして顔をのぞかせている湯呑を制作しました。陶芸の先生がかわいく猫を作るポイントを教えてくれるので、初めてでも簡単にかわいい猫を作ることができます。
九份に来たら、手作りの湯呑をお土産にするのはいかがでしょうか?
意象陶坊 住所:新北市瑞芳區輕便路278號(📍GoogleMap) 電話:02-2406-2388 営業時間:10:00~19:00
瑞芳・九份観光|九份【九份老街】
九金店

陶芸のあとは、やっぱり九份に来たら行かないわけにはいかない九份老街にくり出しました。
まず立ち寄った「九金店」は、「蜂巢糕」という焼きお菓子のお店です。看板メニューは新北十大伴手禮(新北10大土産)にも選ばれた「黑糖麻糬蜂巢糕(黒糖もち蜂巢糕)」です。

見た目が蜂の巣のように焼き上がることから「蜂巢蛋糕(蜂の巣ケーキ)」という名前だったそうですが、3文字の方がゴロがいいということで、店主が「蜂巢糕」という名前にしたそう。
親切な店長さんが営む九金店へ、ぜひ立ち寄ってみてください。

九金店 住所:新北市瑞芳區基山街14號(📍GoogleMap) 電話:02-2496-7780 営業時間:10:00~19:00
九份茶坊

茶芸館とショップが併設された「九份茶坊」では、おしゃれな茶器を購入することができます。
茶器は九份茶坊にある工房で作られたものもあれば、台湾各地の作家さんが作ったものまで幅広く扱っています。

茶芸館を利用しなくてもショップを見ることはできるそうなので、九份老街に来たら九份茶坊のおしゃれな茶器の購入を検討してみてはいかがでしょうか?
九份茶坊 住所:新北市瑞芳區基山街142號(📍GoogleMap) 電話:02-2496-9056 営業時間:11:00~20:00
昇平戲院

九份老街で最も有名な景色が見られる「阿妹茶館」前の階段を下りた先にあるのが「昇平戲院」です。
日本統治時代に開業した新北市最古の映画館で、1914年に別の場所で開業し、1934年に現在の場所に移転したのが始まりです。現在の建物は1962年に再建されたもので、2024年の改装工事を経てリニューアルオープンしています。

見学は無料で、館内では昇平戲院や九份にまつわるドキュメンタリー映像を見ることができます。
椅子もあるので、九份の歴史を感じる建物の中でちょっと休憩もありですよ。
昇平戲院 住所:新北市瑞芳區輕便路137號(📍GoogleMap) 電話:02-2496-9926 営業時間:9:30~17:00(土、日曜日は~18:00)
瑞芳・九份観光|九份【水心月茶坊】

昇平戲院の前の広場を抜け左に行くと見えてくるのが「水心月茶坊」という茶芸館です。
落ち着いた雰囲気の水心月茶坊ではおいしい台湾茶と手作りのお菓子をいただくことができます。

テラス席があり、そこからの景色が最高!おいしいお茶と絶景で街歩きの疲れを癒してくれます。
こちらで使われている茶器は九份茶坊で購入が可能。2店舗は系列店だそう。どうりで、どちらのお店も雰囲気がいいはずです。
九份旅の最後はおいしいお茶を飲みながら、ゆっくりと九份の絶景を堪能してください。

水心月茶坊 住所:新北市瑞芳區輕便路308號(📍GoogleMap) 電話:02-496-7767 営業時間:13:30~19:00
瑞芳・九份観光|よくある質問(Q&A)
A:瑞芳駅に着いたら、正面ではなく後方にある平渓線(平溪線)ホーム方面へ進むと裏改札があります。九份方面とは反対側にあるため、初めての場合は駅構内の案内表示を確認しながら進むのがおすすめです。
A:手作り体験を含める場合は約1.5〜2.5時間、街歩きだけなら40分~1時間ほどで回れます。九份への移動前後のすきま時間にも観光しやすいスポットです。 Q:瑞芳駅の裏改札(後站)にはどうやって行けばいいですか?
Q:瑞芳老街の観光はどのくらい時間を見ればいいですか?
瑞芳・九份観光|まとめ
1日かけてじっくりと巡る、瑞芳・九份はいかがだったでしょうか?
空き瓶ステンドグラスライト作りや陶芸体験など、ちょっと贅沢に時間を使った旅もいつもとは違う経験ができて楽しかったです。
旅行中はやりたいことが満載でなかなか時間を割くのが難しいところもありますが、普段と違う体験をしたい方は、ぜひ今回のルートで瑞芳と九份を楽しんでみてはいかがでしょうか?
※上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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